ドイツ大学進学の勉強はどこで?ドイツで正規留学するまでの流れ!
「行動するなら、できるだけ若いうちがいいかな!」
ということで、気が付くと日本で就職して約1年後には留学のために退職。
そして、ドイツの大学へ。
こんにちは。ゲストライターでドイツ語講師のばうしゅけです。
大学を卒業し、旅行関係の会社で働いている間、ずっと心の中にあったのが「ドイツ語を勉強したかったな」という気持ちです。
「ドイツ語のクールな響き」に憧れたけど、私の通っていた日本の大学には、ドイツ語科がなく。
大学では英語の言語学を専攻したけれど、卒業後もふと頭をよぎるドイツの存在・・・。
「留学するにもね、3年は働いてからだ」
なんて思っていたのですが、だんだん我慢できず。
行きたい!
という気持ちだけが膨らむのが留学ですよね。
日本の大学を卒業し、一度は日本の旅行会社に就職したものの、はやる気持ちと共にドイツへ留学。最終的にハイデルベルク大学へと進学しました。
さて、そんな私なのですが、ドイツで大学に進学するまで、どんな流れで進んでいったのか?
どこでドイツ語を勉強していたのか?
今回は私がたどった、大学進学までの道のりをご紹介したいと思います。
ドイツ語学留学から大学に正規留学(進学)までの流れ
まずはじめに、ドイツの大学に進学するには、DSHやTestDafといった『ドイツ語試験』で、大学の求める得点を取ることが不可欠です。
ドイツで大学に進学となると、多くはドイツの語学学校に通い、ドイツ語力を磨きながらテスト対策、という流れになってきます。
私の場合は、テストで合格ライン突破まで合計3つの学校を渡り歩きました。
まず最初の4か月は、ハイデルベルクにあるF+U Academy of Languagesという語学学校に留学。
続いて、その後1年間はハイデルベルク大学付属の大学進学希望者向けの語学コース(Max-Weber-Haus)へ。
そして、さらに半年間『Studienkolleg』という、ドイツのギムナジウムに準ずる科目を教える学校で、普通科目の文系コース(地理、歴史、文学、ドイツ語)へと通いました。
まとめると・・・
- 4ヶ月 語学学校F+U(ハイデルベルク校)に通う
- 1年間ハイデルベルク大学付属の大学進学希望者向けの語学コース(Max-Weber-Haus)
- 半年間 Studienkollegで入学準備
- ハイデルベルク大学へ進学
という流れで大学に進学したのが私です。
大学進学までに、合計3つの学校に通ったというワケですね。
ドイツにはたくさん学校があるのですが、なかでもStudienkollegに通うことになったのは珍しい例なのかなと思います。
まずは、語学学校F+U ハイデルベルクに留学!
ハイデルベルクにある語学学校F+Uでは、午前中のドイツ語コースのみ授業を受けていました。
まず入学初日にクラス分けテストです。
日本で初級のドイツ語を学んでいたこともあって、入学はB1レベルの中級クラスに決定!
テキストは確か「em neu」という本を使っていて、授業もテキスト中心に進みました。
語学学校にいた4ヶ月間は、何人もの先生にお世話になりました。
ですが、なかでも一番記憶に残っているのは、最初のB1クラス。
このクラスを担当していた先生が、とにかく気分屋で厳しい先生だったのです。
授業では毎回、名詞の性を正しく覚えているかの小テスト。
しかも、なぜかテストが一番できなかった生徒は、翌日クラスのみんなにフルーツをご馳走することになっていました。
私はその出費がとにかく嫌で嫌で。
一生懸命復習して、これが結果的に自分のためにもなりました。もちろん、フルーツにも恵まれてね。
ほかにも、先生は私たちに、いつも週末何をしたかを日記に書かせてみたり。
二人組で会話させて、会話が終われば相手のことを発表させる、なんてこともやってみたり。
おかげで、一人称以外を正しく使う訓練になって、これが効果抜群でした!
とはいえ、他の先生のクラスは和やかな雰囲気の授業なのに。
かたや私の先生のクラスは、先生の機嫌を損ねたくない、叱られたくない、という生徒の気持ちでちょっとピリッとした雰囲気。
当時は、この先生のことがあって「授業に行くの気が重いなぁ」と感じたこともありました。
ただ、振り返ってみると、ドイツ語力がよく伸びたのも復習を欠かさなかったこの時なんですよね。
あまりに、先生の授業が自分に合ってないなら、授業を変えるのもありなんですけどね。
F+U Academy of Languagesに関する詳細は、特設サイトも合わせてご参考ください。
ハイデルベルク大学付属(Max-Weber-Haus)
画像:http://www.isz.uni-heidelberg.de/より引用
4ヶ月お世話になったF+Uなのですが、学校を飛び出すことにした私。
向かった先は『Max-Weber-Haus(マックスウェーバー)』という学校です。
正確には、ハイデルベルク大学付属の大学進学希望者の通う語学コースです。
そう、つまり同じハイデルベルク内で学校を移動した。
ということですね。
学校を変えた理由は、大学の機関に通うことで、授業料がとても安くなること。
それに、クラスの生徒が基本的に全員大学進学希望者ということ。
つまり、同じ目的を持つ子たちと一緒になって、切磋琢磨できる!
そう考えたからです。
ところが、Max-Weber-Hausに入学するのって、語学学校ほど簡単ではないんですよね。
学校のお申し込みだって自分でやる必要があります。
基本的には留学会社は、このあたりはサポートしていないのです。
もちろん「必要書類が一つでも欠けていたり不十分だったりすると、容赦無く受け付けてもらえない」です。
語学学校だけど、そこは大学の付属機関です。
入学は大学出願と同じくらい厳しいと思ってよいです。
私は書類を提出する前に、何度かMax-Weber-Hausの秘書室に行って、
「足りないものはある?」
「これで問題ない?」
と確認を行なっていました。
ドイツ語に自信のない場合は、ドイツ語のできる友達やタンデムパートナーなどについて行ってもらって、念入りに確認するのが安全かなと思います。
まずはクラス分けテスト
さて、まずは学校入学にあたって、クラス分け試験を受けます。
試験の結果によって、1学期間(半年)通うクラスが決まるのです。
ここで、ちょっとドイツの一般的な私立の語学学校についておさらい。
私立の語学学校だと最初にクラス分け、そのあとは授業に合わせて自動的に上のクラスに上がっていく。
というパターンが大半です。
しかし、Max-Weber-Hausでは、次の学期が始まる前に再びクラス分け試験がやって来ます!
しっかり勉強しなかった学生は、同じクラスに残留。
最悪もっと下のクラスに落とされることもあったり・・・。
クラスはA1の初級から上級者向けのOberstufe(C1かC2)まであり、一番上のOberstufeでのみ、DSH試験対策が行われ、有利にDSH試験に臨むことができます。
ということで、順調にクラスを上げて行かないと、DSHを受験するまでに時間がかかるハメに。ドイツでの大学進学だって、遠のくことになります。
こういう事情もあって、学生たちは和気あいあいとしているものの、授業となるとみんなマジ。
本当に真剣で、本気度合いがF+Uの生徒たちとはまるで違いました。ものが・・・ものが違うのです。
私はB2から通い始め、Oberstufeに進みましたが、Oberstufeの授業の雰囲気はなんと言うか、
まさに受験塾!
殺伐としていました。
(かなり主観的な意見ですよ!Oberstufeのクラスは他にもあって、先生も学生もいろいろです。全てではないですけどね。あくまで私の主観)
B2のクラスでは、回答に点数をつけられることはほとんどなかったのですが、Oberstufeはやはり違いますよね。
文法・聴解・読解ごとにいつも点数付きで返却されました。
よくできた人は先生から全員の前で褒められます。
なので、周りのレベルが手に取るように分かるんですよ。良くも悪くも。
B2クラスにいた頃は、クラスメイトと休憩中も雑談したり、仲良くなったのですが、Oberstufeはやっぱりものが違います。
クラスメイトは受験仲間に過ぎず、さっぱりとした関係でした。ちょっと寂しいですけどね。
私のクラスは「みんな母国では、神童だったんだろうなあ」という、医学部志望の子たちであふれていて、授業はトントンと進み・・・。
一方で、私はDSHの受験資格だけは落とさないよう必死!
私立の語学学校との違い
もう1つ、私立の語学学校と大きく違う点があります。
それは、日々の出席状況や授業態度、試験の成績がDSHを学期末に受けられるかどうかに関わってくることです。
さらに、なんとDSHの口頭試験を免除する代わりに、授業内での発言が口頭試験の点数に反映されるという!
今にして思いますが、このクラスでの半年は、5年以上のドイツ生活の中で、最も不安でストレスの多い時期でした。
ドイツ語試験DSHを受験!
そして、いよいよやって来るドイツ語能力試験!
私の場合、Max-Weber-Hausで一番上のクラスに通った後、DSHを受験しました。
結果、志望学科の合格ラインに1%、届かず。
ほんの僅か。
たった1%届きませんでした。大学に入学できずです。
しかも、追い打ちをかけるように、Max-Weber-Hausに通うわけにもいかなくなる始末。
代わりに、先生から提案されたのが『Studienkolleg』に通うこと。
引き続きMax-Weber-Hausに通い続けられない理由は、先生にはっきりと言われたわけではないんです。
実は今になっても、正確なところは分かりません。
一番上のクラスに通った後、また半年間同じカリキュラムをやり直すのは時間がもったいなかったのか?
DSHの点数が足りない場合、Studienkollegに通わせることになっているのか?
色々と想像はしましたが、よく分からず終い。
先生の言う、Studienkollegへと向かうのでした。
学校詳細は、Max-Weber-Haus学校サイト確認してみてください。
『Studienkolleg』に通って進学準備!
Studienkollegに通うのは、たいてい自国の高校・大学卒業証明書がドイツで認められない国の留学生のよう。
なので、正確に言うと『Studienkolleg』はギムナジウムではないのですが、学校ではギムナジウムで習うカリキュラムに準ずる教科を教えています。
先生の紹介のもと、Studienkollegに通うことになったのが、私です。
授業はコースによりけり
学校は学生の進路によって、文学系・医学系などにコースが分かれていて、出席する授業も異なっていました。
私は文学系だったので、ドイツ語・文学・歴史・地理の授業に出席!
ドイツ語の授業は、文法・作文・聴解・読解に分かれていて、別の先生が担当し、DSHの対策をしました。
授業の中身をちらっと紹介すると、文学ではカフカやクライストなどの小説、アイヒェンドルフの詩を扱っていました。
歴史だと、人類の進化と第一次世界大戦がテーマです。
地理はフィヨルドの形成や地層のフィールドワーク、地球の大気の構造などについて学びました。
Max-Weber-Hausと同じように、学期中に全ての科目で複数回の試験があります。授業態度なども評価に繋がっていました。
ただ、クラスはMax-Weber-Hausに比べて、もっと開放的で和やかな雰囲気でした。
同じ分野に興味がある人が集まっていたので、生徒同士で話しやすかったのかもしれないですね!
ここでは、ドイツ語以外の新しい科目が加わったことで、日によっては朝8時から夕方6時頃まで授業がありました。さすがに頭が疲れます。
けど、日本の学校で習ったような内容をドイツ語で教えてもらうのが面白くて、知的好奇心は刺激されました。
そして、Studienkollegは半年で終了。
再び、ドイツ語試験DSHへと挑みます!
Studienkollegに関する詳細は「成績を補う!ドイツの大学進学資格が取れるStudienkollegに通う方法」にもまとめています。
気になる人は、合わせて確認してみてくださいね。
ドイツ語試験DSHの合格ライン突破!
Studienkolleg修了時に受けたDSHで、ようやく合格ラインを突破することができました!
大学に進学するまで、合計4回のDSHを受け、念願かなっての合格ライン超えです!ホント嬉しかったな!
4ヶ月間の語学学校、1年間の大学付属語学コース、そして半年間のギムナジウム。
約2年間にもおよぶ私の受験期間はこうして幕を閉じたのであった。
ドイツの大学進学は学校・学部によって様々なのですが、ドイツの大学に進学するにはどうすればいいのかな?
みんなどうやって勉強しているの?
なんてことが気になっている方の参考になればなと思います。
ではまた!
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この記事に寄せられたコメント
語学学校と大学 5年分の費用は貯めてからドイツに旅立ったのですか、それとも働きながらなんとかお金を工面していたのでしょうか。
働いて貯めたお金と、ドイツでのミニジョブ、少し仕送りですね。費用に関してはまた改めてまとめようかなと思っています!
ばうしゅけさんに質問があります。今まさにハイデルベルク大学のISZについて調べております。ばうしゅけさんは、日本の大学を卒業してハイデルベルク大学に入学を希望されていますよね。日本の大学を卒業していれば、基本的にはドイツ語語学コース→DSHという流れで問題ないという理解でよろしいでしょうか。また、上記のブログでは、Max-Weber-Hausの語学コース終了後、DSHを受験し点数が不足していたので、Studienkollegコースに入ったとのことですが、別にStudienkollegに入らなくてもDSHの再受験は可能なのでしょうか。
ばうしゅけさんはゲストライターなので、直接ご質問への回答はできないです。すみません。
他にもご相談が寄せられるのですが、全てにお応えしきれないとのことで、全てお断りすることにしています。
なお、基本的にはドイツ語語学コース→DSHという流れで問題ないですよ。
DSHの再受験も可能です。