ドイツにバリスタとして移住!ワーホリから3年目に突入した結果!
ヤバい!
英語もドイツ語も喋れない!
けど、ドイツに移住してバリスタとして働きたいんやで!
という想いで単身ベルリンに渡り、バリスタとして修行を積むとどうなるのか?
「なんでベルリンなん? バリスタやったらオーストラリアとかちゃうん?」
という周囲の驚きに見送られ、いっけん無謀とも思えるこの計画を実行に移した日本人バリスタがいる。
名前をば山本順平(やまもと じゅんぺい)。
京都に育ち流暢なネイティブ関西弁を操る彼は、いかなる状況でも関西弁を忘れない生粋の京都人である。
ある程度ドイツ語ができないとアルバイトすら難しい。ドイツはとルーキーに厳しい国でもあります。
けれど、
「そんなん知らんし!」
とベルリンに来るやカフェの仕事を見つけ、周囲をアッと驚かせてしまったのが彼である。
そんな彼を我々は親しみを込めて「山もっちゃん」あるいは「山もっさん」と呼ぶ(以下、山もっちゃん)。
日本から単身ベルリンにやって来た山もっちゃんの生活もいよいよ3年目に突入・・・
いったいバリスタとしてどうなっているのか?
元気にしてるんやろうか?
もしかして・・・
・
・
・
もうドイツにいなかったりしてな・・・。
気になったので2年ぶりに山もっちゃんが働くお店を訪ねてみることに!
「海外で働いてみたい!」
そんな想いでベルリンに移住するといったいどうなるのか?
3年目に突入したベルリンで活躍する日本人バリスタの姿にせまってみたいと思います。
「ちょっと待って!そもそも言葉ができないのに、どうしてドイツに来てすぐに働くことができたのよ?」
という部分が気になる方は、以下も合わせてどうぞ。
ドイツでの生活は成長の連続!
山もっちゃんがドイツに渡ったのは20代の頃。
当時はワーホリことワーキングホリデービザを日本で取得してのドイツ滞在でした。
ドイツに渡ったのはいいけど、1年以内にビザを更新しなければ帰国せざるを得ない。
といった状況からスタートしたのがベルリンでのバリスタ生活です。
そんなベルリンライフもフタを開ければめでたいことに3年目に突入しております!
もう、結果から述べてしまうけれど、彼はめちゃめちゃ成長を遂げたのです。
本人いわく
とのことですが、
いやいやいやいや。
- 日常会話のドイツ語&英語は大丈夫!
- バリスタとしてベルリンのカフェに正社員として就職!
- 就労ビザを取得!
- 英語でコーヒーの勉強が日常!
といった成長っぷり。
ちょっと、
レベルアップしすぎやで・・・
と驚愕する私です。
これが2年間ドイツで活動し続けた結果というやつですか。恐るべし経験値ですわ。
ベルリンで出会った頃は、
「ヤバい。言葉ぜんっぜん分からん。マジで何言ってるか分からんし」
って言うてたのに。
勤務先はオシャレカフェ「Populus coffee」
山もっちゃんが働いているのはベルリンの東側にある Populus coffee(ポピュラスコーヒー)。
カフェはU8のSchonleinstr駅から歩いて数分の場所にあります。
都会なのにどこか自然のぬくもりを感じることのできるお店です。
店内はウッドベースで白と緑が映えるキュートなデザイン。
ベルリンの街角でホッとひと息つくにも持ってこいで、癒しと安らぎの空間となっています。
店内のBGMはちょっと大きめで、
これがなかなか「ズンチャッ♪ ズンチャッ♪」しております。
優雅なティータイムというよりは、
イケてる若者が愛用する『俺のカフェ』といった感じで、友達同士が集まってコーヒー片手に人生感やら友情やら語ってそうな場所です。
いわば、今のベルリンをよく表しているカフェといた雰囲気かも。
お店に入ると、カウンターのなかに働く山もっちゃんの姿を発見!
この日はいつも以上にお客さんが入っているらしく、
と笑って出迎えてくれました。
「この日に行くからヨロシク!」と予告して来たというのにな。この感じな!
関西の風を感じるやりとりや。
それにしても、ドイツで変わらずバリスタしている彼・・・
なんか、こなれてるやん。
2年前に比べて妙に余裕が出ているというか、なんというか。
身体のあちこちからこう
・
・
・
ベルリンに馴染んでるオーラがほとばしっております。
これが3年目の戦闘力というやつか・・・。
今も学校でドイツ語を勉強している?
元気に働く姿も確認できたところで、さっそくベルリン生活3年目の心境や、ドイツでの移住生活など、気になる疑問をぶつけてみたいと思います!
まず気になったのが語学の上達について。
海外に留学したり移住するとなれば、気になるのが言葉の壁ですよね。
留学すればペラペラと喋れるようになるのか?
これはもう、いわば留学における永遠の謎であり課題です。
ドイツに渡りたての山もっちゃんはそれこそ語学は勉強中のご身分。
ドイツ語や英語といった外国語を使ったコミュニケーション能力はドイツに渡ってから猛勉強です。
それこそ午前中はドイツ語を学ぶために語学学校へ、午後は働くためにベルリンのカフェへといった生活スタイル。
かつては足りない語学力を日本で身につけたバリスタの経験でカバーするといった活躍をみせていたのですが、果たして今はどうなのか?
まだ学校に通っているのでしょうか?
即答でした。
さすがに3年目ともなれば学校は卒業しています・・・よね。
いわくドイツ語はB1まで勉強を進めたとのこと。
B1というとドイツで生活するには支障ないかなっといった語学レベルで、もしドイツで大学の受験を考えているなら、もう一歩踏み込んで勉強が必要かなといったレベル感です。
日常会話のドイツ語はほぼ大丈夫のようですが、それでも語学はまだまだ勉強中と話す山もっちゃん。
最近だと語学は実戦あるのみで、とにかく生きたドイツ語や英語に触れて、仕事に必要な専門用語を使えるよう努力していると語ります。
たしかに、コーヒーに関する専門知識やコーヒーマシーンをはじめとする機材の名前、ショップ運営に関するマネージメント用語なんかは語学学校では教えてくれない内容です。これはもう実践で身につけていくしかありません。
専門用語が分からなければ、話し合っている内容を理解できないことにも繋がります。
議論しているポイントが分からないと、もちろん自分の考えや意見を話すことも簡単ではありません。
日本と違ってドイツでは自分の主張をはっきり言う必要があります。
なので、ちょっと分からないことが仕事の支障へと繋がってしまう場面も珍しくはありません。
日常会話が身について来たと思ったら、続けて仕事に関する知識とビジネスシーンで使える語学を学んでいく。
海外で生活するとなれば、語学は常に勉強です。
ちなみに、山もっちゃんは語学レベルを証明する試験は受けていないそう。
「ドイツで就職するには語学力を証明する書類が必要」という話を聞いたこともある(というか私が某社から言われました)のですが、とくに語学レベルの証明は必要なく、会社からの書類で就労ビザを取得できているそうです。
働いて感じる英語の大切さ
昔からビザが取りやすくて移民の多いドイツなのですが、最近では難民の受け入れもあってか人種のるつぼになりつつあったり、なかったり。
そんなわけでカフェに押し寄せる人たちもやっぱり多国籍です。
そうすると必要になってくるのが英会話です。
やっぱりお店に来る人はドイツ人ばかりじゃないんですよね。
来るわ、来るわ、連日お店にはドイツ語を喋らないお客さんがどんどこやって来るわです。
山もっちゃんも
とかく語りき。
「公用語が喋れないなら英語を使えばいいじゃない」
というのは世界共通なようで、お店のなかでは英語でバンバン注文が入っています。
なかでも大変なのが、やっぱり英語の聞き取り。
方言とか訛りがキツイねん
日本人にとっちゃ、ただでさえ難しくって苦手なのがリスニングです。
そこに方言やら独特なクセが上乗せされるって、そりゃあ難しいの一言。
海外旅行で英語を話してみたけど、全く通じなかった(涙。
という経験のある人なら分かりやすいと思うのですが、日本人の英語もやっぱりクセあって海外の人からすると聞き取り辛いみたいです。
言いたいことは分かるけど、なんか違う。Rの発音がなんか変。
と指摘されることも珍しくはないですよね。
これって日本人のクセだけが特別というわけじゃなくって、他国のクセだって聞き取り辛いです。
そうは言っても、バリスタとしてカフェに立つ以上、クセがあろうが訛りがあろうが、多種多様な英語に対応していかなければなりません。
お客さんに極上の一杯を届ける。それがバリスタなので、
「聞き取れるかーいッ!」
と開きなおるワケにもいかず、いろんな人の言葉に向き合っていく必要があります。
最新の情報は英語にあり!
最近はコーヒー関連の情報は英語から得ていると語る山もっちゃん。
英語で書かれた他国のバリスタブログを読むこともあり、最近では英語で情報を探すことのほうが身近になったのだとか。
たしかに情報の引き出しを英語に切り替えると、知識の幅はいっきに世界レベルにまで広がっていきます。
しかも日本語では知ることのできない最新のコーヒー情報も英語でなら書かれていることも多いという。
とくに、海外では日本のカフェ市場と違って、情報はどんどんオープンにしていくのが主流です。
日本では公開されないマル秘情報や知られたくない秘伝のレシピも世界に目を向けると英語でどんどん公開されています。
ドイツにはそんな最新情報や分析され尽くしたデータ、確かな知識でコーヒーを語るバリスタたちがゴロゴロいるそう。
そんな人たちと対等に議論し、渡り合って行くためにも日々の勉強は欠かせません。
最新情報を知ろうとすると、必然的に英語の資料に手が伸びていくそうです。
カフェで苦戦する文化の違い
3年目になって新たに苦戦しているのが文化の違いなのだという。
例えば、ドイツの職場では日本と違って自己主張することがとても重要です。
山もっちゃんが明らかに出来ていない同僚の技術面を指摘すると、
「いいや、オレはできている!」
と言い張って引かないといった場面も日常なのだとか。
できてないやんそれ!
と指摘しても
「ん?オレの中ではパーフェクトだけど?」
とお互いの意見がぶつかることも多いそう。
日本では、『できていないのにできている』と言い張るのはなんだか格好が悪いし、指摘されたことは素直に受け入れるほうが潔くって格好よかったりするんですけどね。
それこそ80%~100%くらいできていれば「できてる!」と自信を持って言えるんですけど。
しかし、そこが海外・ヨーロッパともなれば、60%くらいの完成度でも「オレはできてるぜ!」と自身満々で主張するのが普通なご様子。
完璧こそプロフェッショナルな日本人の感覚だと、
「それで自信まんまんなのがスゴイ・・・」
と文化の違いを感じたり、圧倒されてしまったりしますが、もはや驚いてる訳にも行きません。
お互いに意見をハッキリ言い合って、
「自分はこう思っている。これが正しいんだ!なぜなら・・・」
と自己主張して行かなければ、しれつな競争に残っていくことはできません。
そこには日本と違うヨーロッパの文化があって、ヨーロッパ流の格好いい姿があります。
まさに弱肉強食で、
「俺やで!俺やで!」
な世界。
なら、気にせず自分の意見を言いまくればいいじゃない!ドイツ流に染まっちゃいなよ!
と隣で話を聞いていると簡単に思ってしまうけれど、長年育ってきた日本の習慣だったり、職場でのやり取りだったりは抜けづらい部分もあるのだそう。
それでも
と気合は十分でした。
これからもベルリンで活動?
ベルリンのカフェ生活がすっかり板についた山もっちゃん。
現在はお店から品質管理とバーマネジメントを任されています。
それに加えて、これからはロースターとしてコーヒー豆の焙煎も任されていくそうです。
ロースターの役目は生のコーヒー豆を焙煎し、お店ならではのコーヒーの味を生み出すこと。
つまり、お店の顔となるコーヒーの味を生み出す重要なポジションです。
焙煎に使用するマシーンの知識はこれから勉強していくそうで、まずはボスでもあるヘッドロースターの元について、親分の作る味を再現できるよう修行を積んでいきます。
これから始まる新しいことについてはとても意欲的で、
チャレンジし続けたいわ!
と山もっちゃんは語ります。
最近はカフェの仕事だけではなく、他店のドリンクメニューの開発に協力したり、技術レクチャーを行ったりする機会も増えてきています。
みんなで集まって意見を出し合う勉強会では、綿密なデータに基づいてコーヒーの色味や味について分析を行うなど、次から次へと舞い込んでくる新しい情報にだってとことん向き合う毎日です。
ベルリンは街中に目を向ければ、新しいカフェもどんどん増えているので、お店同士の競争だって激しい舞台です。
けれど、そんな舞台だからこそ
失ったら終わりやわ
と山もっちゃんは言います。
もっともっと高いレベルを目指して突っ走りたいとやる気も満々のご様子。
気になったので、今後の展開について聞いてみると、ひとまず2019年までは就労ビザを取得できているので、それまではドイツでの活動を続けるそうです。
バリスタの腕を競うバリスタチャンピオンシップへの出場やドイツで開催されるバリスタの大会への参加にも意欲的で、できれば日本の大会には審査員として参加したいとも言います。
最終的な夢については、
みたいです。
さいごに・・・
こちらは山もっちゃんに淹れてもらったカフェラテ。
なんて可愛いラテアートだこと。もちろんカフェラテの味もあいかわらず美味でございます。
さて、ドイツでバリスタ修行をするとどうなるのか?
いかがでしたでしょうか。
久しぶりに会うとスゴく成長してる。やばいぞこりゃあ!
と驚きの連続だったのですが、やっぱりそこには努力の影があって、日々の積み重ねが今に繋がっているように感じました。
「ムリや。わからんわ。マジで何いうてるか分からへん」
なんて嘆きながらも、知らないところですさまじい努力をしていたんですね。
素直にスゴイです。
そんな山もっちゃんが気になるという方は、ベルリンに行くならぜひ彼の働くお店を訪れてみてください。
ドイツドットウェブを見たよ!
と言ってもらえれば、嬉しいです。とくに何も起きないけど。
ではでは。
Populus Coffee
最寄り駅:U8 Schonleinstr
火 – 金:9.00-18.00
土日:11.00-18.00
公式サイト:http://populuscoffee.de/
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