ベルリンの壁を崩壊させたのはある男の勘違いだった
ベルリンの壁を崩壊させたきっかけはある男の勘違いだった!
歴史上最も素晴らしい勘違いと言われるこの出来事をご存知でしょうか?
壁が築かれ、東西の行き来を規制されたベルリン。東と西に別れたドイツを統一へと導いたのはある男の勘違いでした。
その時、歴史が動いた男の勘違いとは? その内容についてご紹介したいと思います。
そもそもベルリンの壁はいかにして築かれたのか?戦後ドイツの分断事情
時は遡ること1949年
第二次世界大戦で敗れたドイツはアメリカ、フランス、イギリス、ソ連(ロシア)により統治されることになります。
米仏英によって統治されたのが資本主義の西ドイツ。
ソ連によって統治される社会主義の東ドイツです。
wikipediaより画像を掲載
分断されたドイツの中でもベルリンはドイツ統治の要との見方から4カ国による管理体制が敷かれ、東ベルリンはソ連、西ベルリンは米仏英の管理下となります。
つまりソ連の統治する東ドイツの中に、西ベルリンだけが孤島のように米仏英による管理となっていました。
wikipediaより画像を掲載
東ドイツから豊かさを求め西ドイツへ
経済発展を遂げることになる西ドイツに東ドイツから豊かさを求める人々が続出!
西ベルリンへ移動すれば飛行機を使い西ドイツへ移動することができる。
そう考えた東ベルリンの人々は西ベルリンを目指すようになります。
これに業を煮やしたのが東側を統治するソ連。
ソ連からすれば、住んでいる人がどんどん出て行ってしまうワケなので、ちっとも面白い話ではありません。
民衆の移動を阻止すべく、西ベルリンの周囲一体を壁で取り囲んでしまうことを決定。
これによって東と西、両ベルリンは壁によって分断されることになります。
壁の崩壊は勘違いから発表された政策
wikipediaより画像を掲載
壁が東西を分断しようとも東ドイツから西ドイツへと自由を求める声は止みません。
次第に募る民衆の不満は旅行の自由や言論の自由を求めた大規模デモにまで発展。
頭を悩ませた旅券局長ラウラーは「外国旅行を無条件で認める」「出国ビザを遅滞なく発行する」という規制緩和を打ち出すのですが、この政策を閣議に通す前に誤って発表してしまったのがシャボウスキーという人物です。
「東ドイツからの出国を認める」
事前に開かれた会議にきっちり出席できなかったシャボウスキー、あろうことか出国規制について報道解禁前の内容を記者会見で述べてしまいます。
「では、それはいつからですか? いつ出国が認められるのですか?」
異例の発言を耳にし、興奮冷めやらぬ記者からの問にシャボウスキーは答えます。
いつやるのか?
「今でしょ! 」と
「出国ビザを遅滞なく発行する」シャボウスキーはこの一文の遅滞なくという部分を見て、出国規制を今から緩めると勘違いしてしまったのです。
解禁前の内容を喋ったどころか、それを今から適用するとまで言ってしまうシャボウスキー。
この出来事はすぐさま大々的に報じられ、ニュースを知った民衆は次々にベルリンの壁へ、詰めかける民衆と何も知らされていない国境警備隊。
ゲート開放を求める声にもはや為す術もなく、ついにベルリンの壁は開放されてしまうのです。
この出来事を機に翌年1990年にドイツは平和的に統一、ソ連は崩壊し長きに渡る冷戦は幕を閉じます。
さいごに
一人の男の勘違い、まさか歴史を動かし平和的解決へと導くだなんて、あな恐るべし勘違い。
この出来事は歴史上最も素晴らしい勘違いと称されているそうですが、歴史の立役者たるシャボウスキーとこの出来事はあまり知られていないように思います。
勘違いから生まれる奇跡もあるということで、勘違いも捨てたものではありませんね。
ベルリンの壁といえば、現在はアートギャラリー「イーストサイドギャラリー」として観光スポットにもなっています。
ベルリンにはいろんな場所に壁が残っているのですが、ベルリンの壁といえばココをイメージされる人がきっと多いはずです。
ぜひ現在のベルリンの壁の姿も合わせてチェックしてみてください。
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