ネルトリンゲンは進撃の巨人の聖地?3つの特徴を調査した結果…
人類と巨人の戦いを描いた大人気マンガ進撃の巨人。
アニメに実写映画と話題沸騰のこの作品。実は物語のモデルとあった舞台がドイツではないか?とファン間で噂になっています。
噂の根源のなっている町は、南ドイツのロマンティック街道沿いに位置し、昔から続くドイツの風景を残した小さな田舎町。
その名をネルトリンゲン。
街の建物はオレンジの屋根で綺麗に統一されており、街の外に目を向けると緑豊かな大自然が広大に広がっています。
そしてこの街には、な、な、なんと、
街全体を取り囲む城壁の存在が!!!
まさに進撃の巨人そのもの!
いったいネルトリンゲンがどれくらい進撃しているのか、真相を探るべく我々は壁内調査へと乗り出してみた。
TopPhoto http://www.noerdlingen.de/より提供
そもそも進撃の巨人 Attack on Titanとは
進撃の巨人って何ですか?
という人のために、まずはあらすじをご紹介しておきます。
進撃の巨人【あらすじ】
突如出現した「巨人」により滅亡の危機にさらされた人類。生き残った人類は、巨大な城壁を三重に築き、壁の内側での生活を余儀なくされていた。城壁による束の間の平和、人類はいつしか巨人の脅威を忘れ、平和な日々を送っていたのだが・・・。
ひとことで言えば、人類の存亡をかけて巨人と戦うマンガです。
しかしですね、これが一言では片付けることができないくらい面白い。
謎に包まれた世界観に魅力的なキャラクター。
人類の天敵として描かれる巨人は、もう不気味さを通り超してトラウマレベルです。
ダークファンタジーというだけあって、登場人物はお亡くなりになるわ、ストーリーは「早く続きを読ませてくれ!」と叫びたくなるわで、今や目を離すことができない人気作品となっています。
血が出たり腕がもげたり、人が丸呑みされたり、マンガの描写は少しばかり過激なので、「グロいのはちょっと……」という人は読む前にそれなりの覚悟が必要です。
いわば、心臓を捧げる覚悟が必要になるのですよ。
ドイツとの関連性については、アニメ版を見るとより強く感じることができるのですが、主人公たちの暮らす街など、物語中に登場する場面にはかなりのドイツっぽさがあります。
加えて主人公のエレン・イェーガーやミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトなど、登場人物の名前はドイツやドイツ語に関連したものが多く登場します。
また、アニメ主題歌にはドイツ語の台詞まで登場しており、ドイツ生まれのDJサッシャがドイツ語パートを担当しています。
実は何かとドイツ尽くしなんですよね。
いやもうコレ、ドイツがモデルになっているで決定じゃないでしょうか?(公式からはドイツと明言されていないですけどね)
ネルトリンゲンを調査してきた
ネルトリンゲンは進撃の巨人の聖地なのか?
もし事実ならば、どれほどマンガに似ているというのか。
実際に気になったので、南ドイツのネルトリンゲンまで出向いて調査を試みることにしました。いわゆる聖地巡礼というやつですね。
深夜、皆が寝静まるネルトリンゲン駅に到着。
駅にはなんとも言えない静けさが立ち込めています。
前日はドイツの観光地としてもっとも人気のあるノイシュヴァンシュタイン城のあるフュッセンという街にいたので、なかなかの移動となりました。おかげで到着は深夜です。
ここが巨人の巣窟と噂されるネルトリンゲン・・・
なんだか妙なテンションになりますね。厨二病にはたまらんと思います。
いうなれば、眠たい時に我慢して眠気を乗り切った時のような変なテンションです。
駅からネルトリンゲン市内までは石畳を歩くこと数分。
田舎街ということで街灯はほとんど見当たらず、街にはひっそりと闇が立ち込めています。ドイツの田舎街は夜になると街の外はほんと真っ暗です。これが冬にもなると5時くらいには真っ暗になるのだから驚きです。
遠くに見えている城門からいざ街の中へ。
これ、これ!
このサイズ感ですよね!
ちょうど巨人の蹴りで穴が空いたみたいじゃないでしょうか?
ネルトリンゲンのには合計5つの門があり、城門からまっすぐ通りを歩いて行くと街の中心部に出るようになっています。
門のデザインはそれぞれ異なっており、こちらはネルトリンゲン中央駅から一番近くにあるダイニンガー門です。
進撃の巨人の舞台と言われるネルトリンゲンですが、実はこのあたりの地方は魔女伝説の残る場所にもあたります。
ワルプルギスの夜でも知られているように、ドイツ各地には魔女伝説が残っています。
ネルトリンゲンもかつて忌わしい魔女が狩りが行われた土地の1つとなっています。
そんな時代背景があるからか、闇に浮かぶネルトリンゲンの建物たちは、なんだか巨人というよりも不敵に笑う魔女のようでもあります。
ネルトリンゲンに限ったことではありませんが、ドイツは田舎に行くほど街頭が少なく、夜はなんというか深いです。
だからといって治安が悪いわけではなく、ヨーロッパの中でも安全な国であることは間違いないです。
ネルトリンゲンの特徴を調査
一夜明けて、翌日。
深夜の街並みからガラリと雰囲気が変わって、メルヘンな街並みが現れました。
これぞドイツといった街並みです。
このコンパクトな街並みは立体起動装置で飛び回るにはちょうど良さそうな感じです。
そして、街の中心には聖ゲオルグ教会がドーンとそびえ立っています。
教会は上まで登れるようになっていて、ネルトリンゲンの観光といえばまずは教会を制覇することです。
ちなみにこの教会はダニエルという愛称が付けられていて、高さは89.9メートル。
というわけで登ります。
街を調査するには、まず街を知るべし。街を知るには、高い場所が一番です。
同じことを考えた観光客たちと一緒にヒイヒイ言いながら教会の最上部を目ざします。
最上部には教会を守るネコが
聖ゲオルグ教会は街のシンボルとして観光客に人気があるだけではありません。
なんと日本でいうタマ駅長ポジションを確立したネコが住んでいることでも有名です。
ネコの名前はヴェンデルシュタイン。
いかにもドイツらしいカッコイイ名前が付けられています。
ちなみにメス猫です。名前はおもいっきり男っぽい響きですが。
気がつけば教会に住み着いてしまったヴェンデルシュタインの仕事は教会および周辺の警備なのだそう。
給与の変わりに寝床とエサをもらっていて、街のマスコットキャラクターとして絶賛活躍中です。
彼女めあてに塔を登る人もそりゃあいます。
おそらくドイツで最高の地位を持ったネコではないでしょうか。
調査1.オレンジ屋根の街並み
教会の展望台はぐるりと一周できるようになっているので、街の全景を知るには絶好のロケーション。
街の屋根は統一された橙色で、街の外はびっくりするくらい何もないです。
壁の中はオレンジで染まっていて、外に広がる広大な大地はまさに進撃の巨人の世界そのものです。
展望台の道幅はかなり狭く、1人通るのがやっと。
黄昏れるには程よいサイズ感です。
オレンジ色に統一された街並みはさすがの一言で、ずっと見ていても飽きのこない美しさがあります。
Photo by RogerW
ネルトリンゲンは、上空から見ると綺麗な円を描いた街となっています。
聖ゲオルグ教会がちょうど街の中心にあり、みごとなまでに丸く城壁によって囲まれています。
もうこれ、進撃の巨人の舞台で決定なんじゃ……。
調査2.ネルトリンゲンを囲む壁の存在
やはり進撃の巨人といえば、巨人の行く手を阻む人類最後の防衛ライン、壁ですよね。
街を囲む「巨大な壁」が見当たらなければ、聖地とは言えないです。
我々は壁を目指して、壁内調査へと向かうことに。
高い建物といえば、さきほど登った聖ゲオルグ教会くらいなので、街を歩けば開放的な青空が気持ちいいです。
南ドイツの田舎街はどこも童話の世界のようなので、街歩き好きにはたまらないです。
オレンジ屋根の小さな家には美しさを覚えるほど。
ふ、ふつくしい。
黄昏れるにも程よいです。
Photo by Zimtstern_2k
そして、たどり着くネルトリンゲンの壁。
こ、これは、
・
・
・
思っていたサイズより小さくね?
いや、正直かなり小さい・・・。
壁の高さは情報によると10mらしいのですが、正直な感想としては5メートル級といったところ。
これじゃ巨人が進撃し放題じゃない。
だがしかし、確かに壁は存在した。
ちなみに壁の上は歩くことが可能です。
気分はもう壁の向こうにはびこる巨人たちを監視する係りです。
壁の上は散歩コースのようになっているので、けっこう気持ち良く歩けます。
ぐるっと街を取り囲んだ壁の長さは2.6kmあり、のんびり歩いて40〜50分ほどで一周できます。
似たような風景が続くので壁の上をぐるっと一周は実際のところけっこう飽きますが。
黄昏れるにも程よい。
登ってみるとあらためて感じる壁の高さ!
50メートル級の巨人には一瞬で蹴散らされてしまいそうな壁ですが、5メートル級の巨人ならばギリギリ街を守れそうですね。
というか、改めて感じますが、50メートルの巨人なんてデカすぎ。
調査3.ドイツに巨人の存在はあり?
Photo by dierk schaefer
街の調査はこのあたりに、最後に進撃の巨人といえば、忘れてはならない巨人の存在について。
モデルになった場所と噂されているとは言え、いくらなんでもネルトリンゲンに巨人の存在は確認されていません。
未確認動物ビッグフットの噂もありませんしね。ビッグフットは体長2〜3mなので、巨人とは言い難いですが。
もちろんネルトリンゲンに巨人の噂など微塵も立っておらず、街にあるスゴイものといえば、本物の月の石くらい。
月の石ならリースクレーター博物館
Photo by ErikSchepers
バルディンガー門の近くにあるリースクレーター博物館では、本物の月の石や隕石など宇宙に関する展示品を見ることができます。
ネルトリンゲンは1日もあれば観光できてしまう、むしろ時間は余ってしまうので、博物館で月の石を見る人も多いです。
展示品の解説はドイツ語で、専門用語も多いので読解は難解です。
興味があればぜひといったスポットです。
ドイツ人ファンの目撃情報
ネルトリンゲンでは、しばしば進撃の巨人ファンと思しきドイツ人の姿が目撃されているようです。
一説によると若いドイツ人女性グループが壁の辺りで「キャーキャー」騒いでいた、なんて目撃情報もあったり。
決して有名観光地とは呼びがたいこの街に今をときめく花のドイツ女学生たちが訪れ、何をキャーキャー騒ぐというのでしょうか。
それはもう、進撃の巨人、ひいてはリヴァイ兵長にキャーキャー言っているのではないでしょうか。
日本では一番人気とも呼び声の高い人類最強の男リヴァイ兵長ですが、その人気はドイツでも健在のようで、私の友達の女の子も彼の虜になっていました。
あの鋭い眼差しと刺のある口調がたまらんらしいです。
そして、私も兵長推し。ミーハーでしょうか。
いくら噂とはいえ、遠く海外のアニメファンたちにネルトリンゲンが聖地ではないか、そんな話がどうやって伝わったのか、このあたりは謎です。
もちろん、日本からも多くのファンが訪れているようで、奇行種のような奇妙な動きをする日本人を街中で目撃した、という情報もあります。
ネルトリンゲンの歴史がまるでマンガ
出展:wikipedia
ネルトリンゲンの起源は実はマンガのようなお話になっています。
時はさかのぼること約1500万年前、地球に隕石が激突しました。地表に衝突した隕石は粉々に砕け散り、大地には痛々しいまでに大きなクレーターが残されました。
さらに時は流れ、人類は隕石によって作られたクレーターの上に街を築きます。
街はやがてネルトリンゲンと名付けられ、時代が進むと街の周囲に大きな城壁が築かれるのです。
外界を拒絶し、何者かの進撃を拒むかのようにも見えるその巨大な壁は、今でもネルトリンゲンの街を囲み続けている、というわけですね。
フィクションくさいですが、ノンフィクション。実話なんですよ。
大人間!?いや、ダイニンゲン
ネルトリンゲンのすぐ近くにはダイニンゲンという街が存在します。
これはテレビ番組「世界不思議発見」で紹介されていたのですが、いささかこじつけな感じはしますよね。
ですが、果たしてそう都合よく大人間……失礼、ダイニンゲンなんて街が存在しているでしょうか。
いよいよ、ネルトリンゲンがモデルの地たる真実へ迫っているのではないか。
さいごに
進撃の街ネルトリンゲンいかがでしたでしょうか?
進撃の巨人のモデルではないか?そう言われる所以について探ってみましたが、分かったことは、ネルトリンゲンはドイツの綺麗な田舎町ということ、それだけな気もします。気のせいでしょうか。
中世ドイツの雰囲気を残したネルトリンゲンの街並は、ドイツらしい味わいがあっていい所なのは間違いなしです。
ドイツ旅行でどこへ行くか悩んでいる人にはぜひオススメです。
いちおう断っておくと、進撃の巨人のモデルになったのでは?そう噂されていますが、あくまでこれは噂です。
信じるか信じないかはあなた次第。いわゆる都市伝説のようなもの。
舞台のモデルというわけではありませんのでご注意下さい。
ドイツは進撃の巨人だけでなく、他にもマンガ・アニメの聖地も多く、鋼の錬金術師やらMONSTERにも登場しています。機会があればこちらも取り上げられるといいですね。
ネルトリンゲンの街並はギャラリーページにも掲載しています。
街の写真をもっと見たいというかたは合わせてご覧ください。
というわけで、これにてネルトリンゲンの壁内調査を終了します。
ネルトリンゲンに行くには、ミュンヘンから列車で1時間半〜2時間、ニュルンベルクからも同じく列車で1時間半〜2時間といったところです。
ではでは。
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この記事に寄せられたコメント
おもしろく読ませていただきました。ドイツ旅行するため、デュンケルスビュールへのアクセス方法を探していて、ネルトリンゲンからのバスしかないのか・・・と検索していてこの記事をみつけ、本来の目的を忘れ見入ってしまいました。私はエレン派ですが。詳細な検証ありがとうございました!
嬉しいコメントありがとうございます!エレン派ということで、もしネルトリンゲンに立ち寄ったならば、ぜひ心臓を捧げるポーズで記念撮影して来てくださいね〜