ドイツの1年がまる分かり!2015年は難民…ドイツ流行語大賞トップ10
日本の流行語大賞のようにエンタメ性はあまりないのですが、実はドイツにもある流行語大賞。
2015年の日本の流行語大賞はご存知の通り、中国人による「爆買い」、野球界から「トリプルスリー」と2つの言葉が大賞を受賞しました。
そして京都の清水寺で発表される2015年の漢字には、
・世界で起こるテロに対する不安
・安保関連法案
・安心して下さい、履いてますよ
から「安」という一文字が選ばれました。
いずれも2015年の日本を現すキーワードですね。
ちなみに流行語大賞は日本だけに限ったものではありません。
海外に目を向けるとオックスフォードディクショナリーズが毎年発表している「今年の単語(word of the year)」というものがあります。
2015年の言葉には、なんと絵文字(泣き笑い)が選ばれています。
▼受賞した絵文字
引用:http://blog.oxforddictionaries.com/
世界的にもっとも使われた絵文字というのが選ばれた理由なのだとか。
日本にしても世界にしても、その年にあった出来事が端的に分かるニュースでもある流行語。
ドイツではドイツ語協会(Gesellschaft für deutsche Sprache 略:GfdS)がその1年を現すキーワードを調査・発表しています。
2015年はドイツにとってどんな1年だったのか。
さっそくドイツ流行語大賞(Die Wörter des Jahres 2015)から2015年のドイツを振り返っていきましょう。
1.難民(Flüchtlinge)
世界が注目したシリアをはじめとする難民の受け入れを宣言したドイツ。
2015年のドイツを現す最も象徴的な言葉でもある難民が2015年の言葉として選ばれました。
難民の亡命申請を受け入れる、この宣言は世界からも大きな称賛を受けました。
ドイツはヨーロッパ諸国の中でも求人が多く、働き手が求められていると言われています。
受け入れた難民がドイツで新たな生活を送れているとよいのですね。
ただ、ドイツの語学学校には難民が急増、外国人局は難民によるビザの申請でいっぱいとも聞きます。なかなか職に就けないドイツ人やドイツへ移住を希望する他の国の人たちと揉めていないといいのですが。
ケルンでは難民受け入れ反対派による大規模デモが起こったり、難民が関与したと思われる事件も発生しているので、2016年も引き続きドイツを揺るがす大きなトピックとなりそうです。
2. 私はシャルリー(Je suis Charlie)
Photo by Valentina Cala
2015年の1月に発生したフランス風刺雑誌シャルリー・エブド編集事務所の襲撃事件。
イスラム過激派を挑発する風刺画の掲載に怒り狂った過激派教徒が攻撃を行い、一連の事件から表現の自由を訴えるスローガン「私はシャルリー」という言葉が生まれました。
日本では宗教問題をメディアが表立って取り上げることは少なく、宗教とは馴染みの薄いトピックですが、ヨーロッパをはじめ海外では個人に大きく関わる繊細な問題です。
昨年のフランスは世界を揺るがした忌々しいテロにも見舞われ最悪の年でした。世界中で愛される観光地フランス・パリに花の都らしい平和が永遠に続くことを祈るばかりです。
3.グレジット(Grexit)
Photo by John-D.-Carnessiotis
一時期ユーロ圏を離脱するのではないかと言われたギリシャ問題。
財政再建策を受け入れるかどうかの国民投票も行われ、世界が注目するニュースとなりました。
ギリシャのユーロ離脱を意味する造語がグレジットです。ちなみに、この言葉の誕生は2012年までに遡るそう。
財政に困るギリシャに対して、ネットニュースでは島の一部を売ればいいのに、という意見を見かけました。
なるほど、そんな手もあるのか(可能不可能は別として)。
4.セレクターリスト(Selektorenliste)
アメリカ国家安全保障局(NSA) がヨーロッパの政府や企業スパイしており、ドイツの情報機関でもある連邦情報局(BND)がこれに協力していたという。
なんとも映画のような実話ですね。そんな悠長なことを言っていられない事実でもありますが。
NSAがBNDに渡した情報リスト「Selektorenliste」が第四位です。
5.いかさまエンジン(Mogel-Motor)
自動車業界に激震が走ったフォルクスワーゲンの排ガス不正問題もランクイン。なんでもアメリカの排気ガス規制を不正にクリアするプログラムがフォルクスワーゲンに組み込まれていたそう。
この事件をきっかけに日本のマツダもとばっちりを受け、株価が急落したりと自動車界は大荒れでした。
ちなみにフォルクスワーゲンのビートルは名探偵コナンに出てくるアガサ博士が愛用している車としてもおなじみです。可愛いですよね。
6位〜10位
ドイツ語協会(GfdS)から発表された1位〜10位までのラインナップは以下の通り。
1. 難民(Flüchtlinge)
2. 私はシャルリー(Je suis Charlie)
3. グレジット(Grexit)
4. セレクターリスト(Selektorenliste)
5. いかさまエンジン(Mogel-Motor)
6. ドゥルヒヴィンケン(durchwinken)
7. セルフィー、自撮り棒(Selfie-Stab)
8. 不正ワールドカップ(Schummel-WM)
9. フレキシタリアン(Flexitarier)
10. 私達はできる(Wir schaffen das!)
出典:http://gfds.de/wort-des-jahres-2015/
6位にはドイツへ向かう難民をEC諸外国が素通りさせたことを揶揄する言葉「durchwinken」とここでも難民関連のワードが登場。
続けて世界的ヒット商品となったセルフィー棒、2006年のドイツワールドカップ招致の不正問題、肉も時々食べるベジタリアンことフレキシタリアン、最後はメルケル首相が放った名言「私達はできる(Wir shaffen das!)の順となっています。
やはり世界の首相は「取り戻す!」ではなく先頭に立って「できる!」と国民を鼓舞するんですね。アメリカのオバマ大統領しかり。
全体的に2015年のドイツ年間キーワードは難民に関する問題がやや目立つ印象です。
さいごに
ドイツ流行語大賞2015いかがでしたでしょうか?
昨年はベルリンの壁関連で光の境界、ブラジルワールドカップの優勝で沸いたドイツに関連した言葉が目立ち、やや明るい印象でしたが、2015年はややナイーブな言葉が並んだ気がします。
改めて2015年の流行語を見ても思いますが、エンタメ色は薄めですね。
昨年の2014年ドイツ流行語大賞に引き続き「6位〜10位の説明がないぜ?」とツッコミを入れたい方は、気になる続きはぜひ出典元のドイツ協会(GfdS)へ。
全てを知りたい!ドイツ語なら任せて!という方は是非、本家「Die Wörter des Jahres 2015」のぞいて見て下さいね。
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