大人の男香るベルリンのカフェ・バーに行ったらマスターがベルリン観光のコツを語ってくれた。
東のチャラ男。
西のメガネ男子。
北はオシャレで、
南は・・・
ふつう。
地区によってコロコロ雰囲気の変わるベルリンをそんな風に見ていた私。
なかでも穏やかで、気品のようなものを感じるのがベルリンの西側の地域。
特に動物園のあるツォーロギッシャーガルテンからシャルロッテンブルク宮殿にかけてはインテリの風格すら漂っている、そんな気もするとかしないとか。そんなツォーロギッシャーガルテン界隈に「オシャレなカフェはないものか?」とポテポテ徘徊していた日のこと。
カフェというよりは喫茶店。見ようによってはバーにも見える。そんなお店へとたどり着いた。
Cafe Savigny
行く当てもなくとぼとぼ歩き、ほどほど歩き疲れた私が迷い込んだ一軒のお店。
そこはかとなく漂う風格。
戸口をくぐると、そこには落ち着いた空気の立ちこめる店内が。
これはそう、老舗の喫茶店が醸し出す独特な空気に似ている。
と老舗の喫茶店になど行ったことのない私ですらそんなことを感じる。
きっと彼がこのお店のマスターに違いない。
誰の目にも彼がこの店のマスターであることは明らかでした。
「は、はろー」
蚊の鳴くような声で言うと、するどい視線が私を捕らえた。
思わずピクリとしたのはここだけの内緒である。
「観光客か?どこでもいいぜ」
すれ違いに一声かけ、そしてマスターは行ってしまった。
多くは語らない。
だが、そこがいい。
言われた通り店内の隅っこにちんまり収まり、マスターが来るのを待つことにした。
一戦を退いた老兵ばかりが店内にひしめいているのは気のせいだろうか。
揃ってメガネをかけ、みなが熱心に新聞紙を見つめているので、これは私も新聞を読んだ方がいいのだろうか。
けれど、ここはあえて辞めておこう。
野暮なことはするものではないのだ。
紳士は決して見栄を張ってはいけない。
疲れた頭には甘いケーキが最高のパートナーなのよ。とは良く言ったもの。絶品の自家製ケーキの売れ行きも好調のよう。
「ボウズ、決まったのかい?」
「えっと、おすすめは?」
「おすすめ?ここじゃコイツと決まってる」
「ドイツですものね」
「その通りさ」
というわけで、私はありがたくビールを頂戴した。
もちろん有料で。
「どこから来たんだい?」
「日本です」
「遠いところから来たな。観光はしたのかい?」
「ええ、ベルリンはくまなく周りました」
「それなら、もう自転車には乗ったんだろうな」
「自転車?」
「ベルリンと言えば自転車で観光だろ。自転車さえあればどこへだって行ける。まさか自転車に乗ってないのか?」
「どこへ行くにも電車とバスです」
「それは勿体ないぜボウズ。一度で良いからベルリンの街を自転車で駆け抜けてみろ。これがどれほど素晴らしいことなのかすぐに気が付くぜ」
「マスター、僕、自転車持ってません」
「なら借りろ」
その後、マスターはベルリンのレンタサイクルについて語り、自転車で走るオススメルートや交通事情などを一通り説明してくれた。
お酒の入った私はニコニコ笑って頷くばかりである。
寡黙に見えたマスターがとても気さくで、親しみやすい方ということは素晴らしい。
そしてゆっくり流れる時間と共に、夜もふけこんで行く。
カフェにはWi-Fiもなく、あるのはお酒とコーヒーと、あと老舗の喫茶店が放つあの独特な雰囲気だけ。
とはいえ、私は老舗の喫茶店には行ったことがないのだけれども。
いやでも、ここの空気が老舗喫茶店のそれなのではないか。
Café Savigny
Grolmanstraße 53
10623 Berlin
月 – 日 9:00 – 0:00
過去に紹介したお店やベルリン情報はカテゴリー別にまとめています。
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