ベルリン演劇「戦火の馬」、幕後に衝撃の展開が待っていた！？

2007年ロンドンで初演された舞台「ウォー・ホース 戦火の馬」原作はマイケル・モーパーゴ氏の児童小説で、あまりの出来栄えに世界の巨匠スピルバーグをも唸らせ、ついには映画化にまで至ったこの舞台。

映画の公開に合わせて特集されたあるテレビ番組では、あのジャニーズの名優、生田斗真さんが単独英国へ、舞台を鑑賞しそして涙する場面に多くのファンが涙し、そして私もまた感動、これは素晴らしい舞台に違いない、そして流れる月日数年、念願かなってようやく観ることができました。まさかドイツで観ることになろうとは……。

ウォー・ホース 戦火の馬とは？

あらすじ

舞台は第一次世界大戦下のイギリス。農村に住む主人公のアルバートの元に父親が気性が荒く、心を開かないサラブレッドを連れ帰る。ジョーイと名付け手塩にかけて育てるアルバートに次第に心を開いて行くジョーイ。しかし戦争が始まり、軍に目を付けられたジョーイは戦争へと駆り出されてしまう。戦火を駆け抜けるジョーイを探すべく、アルバートも戦地へ赴くのだが……

スピルバーグ監督による映画「戦火の馬」をご存知の方は多いと思うのですが、原作はイギリスの児童文学、それが舞台化され、映画化に至っています。

舞台版の予告映像はこちらです。

大人３人によって表現される木馬はまるで魂が宿ったかのようにしなやかなで躍動的な動きを舞台上に見せ「まるで生きているかのようです！」そう感想を述べてしまうと、我ながらになんともチープな感想、そう思わざるを得ないのですが、これがもう、まさに「この馬、生きている」なのです。本当です。

劇場はTheater des Westens

ベルリンで大絶賛上映中の演劇「戦火の馬」そのセリフはもちろんオールドイツ語、果たして自分の語学力で聞き取りは大丈夫だろうか？ 物語の内容を理解することはできるだろうか？ 募る不安はあったのですが、幕が上がると同時にそんな不安は吹き飛んで行きました。

そもそも馬は喋らではないか。

けれど喋らない故の感動があそこにあります。木馬が舞台を走る、それだけでなぜか泣きそうになるから不思議です。

とはいえセリフが少ない舞台というわけではありません。私は思ったのです、これは観るというより、魅せられる演劇ではないかと。

馬のいななき、大地をはむ蹄の音はまさに本物のそれ、皆が目を見張り、いつしか皆が木馬ということも忘れているようでした。

セリフや言葉は大事です。けれど必須ではない。これは肌で感じる演劇なのだと一瞬にして心を掴まれる。

馬の目を通じて観る戦争の世界、木馬ならではの演出、唸ります。演劇って奥が深いです。

気になる方は気になるはず。なぜ舞台上の木馬を撮りまくっているか？

もちろん劇中にこそこそ撮影したわけではありません。それは禁則事項です。バレたら即つまみ出されます。というよりマナー違反です。

実はカーテンコールの後に撮影会が開催されました。スタンディングオベーションに包まれる会場。皆がカメラ片手に撮影に夢中です。

今や感動さめやらぬこの舞台なのですが、日本にも2014年夏に東急シアターオーブに上陸するそうです。

ちなみにベルリンの上映劇場はツォーロギッシャーガーテン駅から歩いて数分、エロティックミュージアムのすぐ隣です。

チケットの予約方法は「簡単！ベルリンでチケット予約してドイツ演劇を鑑賞する方法とは？」をご参考下さい。