ドイツの夜行列車とは?寝台列車でベルリンまで旅行してみた!
ドイツは電車もさることながら、バスでの移動が凄まじく便利です。
ドイツ全土には夜行バスも走っているので、寝ている間に長距離を移動できているのは心底ありがたいもの。しかもバスなら長距離の移動でも安いっていうね。
けど、夜行バスの移動ってやっぱり疲れます。
イスを全開で倒しても、やっぱり腰とか痛いし、上手く寝付けない人だってきっと多いと思います。
そこで利用したいのがドイツを走る寝台列車です!
異国の闇を寝台特急で駆け抜けて行くって、なんだかそれだけでもロマンですよね。これぞ旅って感じ。
ドイツの寝台列車はいったいどんな雰囲気なのか、どうすれば乗れるのか? 予約する方法は? 値段はどう? などなど、全部まとめてご紹介しようと思います。
目次
ドイツ鉄道の寝台列車ってどんな感じ?
まずは雰囲気ですよね。
寝ながら乗車するということで、その快適さはやっぱり気になるところです。
深夜バスよりちょっと高めのお値段ということで、到着する頃には「よく寝たぜ〜」といった清々しさだって欲しいです。
ということで、今回私が実際に利用してみたのがこちら、ミュンヘンからベルリンまでの夜行列車(正確にはミュンヘンからマンハイムまで移動して、夜行列車に乗り換えてベルリン)です。
ミュンヘンからベルリンまではだいたい600kmほどあって、電車で移動するとだいたい7時間ほど掛かります。
朝から移動しても1日をほぼ移動に使ってしまうので、この距離を寝ている間に移動できるのはありがてえです。
室内は意外と狭い
夜行列車というだけで、ワクワク、ソワソワで本日の寝床たる扉を開くと、そこに広がるベッドの光景!
思っていた以上に、夜行・・・
狭いッス。
ベッド前は人ひとりが通れるくらいのスペース感でございます。
豪華列車というワケでもないので、こんなものといえば、こんなものですけど。
車両内のベッドは二段ベッドになっていて、上の段も同じようなサイズ感。
大人ひとりが寝ることができる。ただそれだけのマイスペース。
身長164cm、いわゆるリトルジャパニーズである私にとっては寝る分に十分ですが、180cmオーバーのデカいドイツ人がここで寝てることを思うと・・・
ちょっと窮屈かも。そんなサイズ感。
そして、ベッドの上の掛け布団はなんと、
ペラペラなものが1枚あるだけ・・・っていう。
利用したのは10月後半で、夜になるとスゴく寒いのだけれど、ペラペラな布団が1枚って。
1枚って・・・ねぇ。
けれど、これが全く問題ないんですよね。
キャビンの中は完璧なまでに暖かく、なんなら半袖で寝れてしまうくらい。
ただ、ベッドはフカフカとは言い難く、いわゆる簡易ベッドといった感じです。
そして、どうやらこの夜行列車、3人部屋のようです。
車内のどこを見渡しても第3のベッドは見当たらないのだが・・・
折りたたみ式でどこかに収納されている・・・のだろうか?
各キャビンには小さな洗面が付いています。
人数分のタオルが収納されているのもココ。
朝起きて顔洗ったり、寝る前の歯磨きはここで済ますことができます。
ちなみに寝台列車はベッドだけではありません。
座って行く夜行も存在しています。
夜行バスよりは快適(?)かもしれないのですが、この狭い空間に長時間ずっと座っての移動はなかなか苦しいかも。
個人的には、これなら夜行バスのほうが気持ちラクかもと感じた次第です。
シャワーとトイレは共同!
車両の端には共同のトイレとシャワールームが完備されています。
トイレはいわゆる列車のトイレで、「コォッ!」という音と共にあらゆるものを吸い込むタイプ。
便座は深夜の夜風を感じとったみたいにキンキンに冷えていて、尻は冷えます。
座る時にはそれなりの覚悟が必要です。
シャワーがあるのも同じ室内。
いかなる場合も寝る前にシャワーを浴びてさっぱりしたい派の私にとってはシャワーがあるのはありがたいです。
シャワールームには備え付けのシャンプーもあって、お湯の出もイイ感じ。
もちろん水しかでないということなく、シャワーから出る水にも十分な勢いがあります。
列車の中ということで、走っている場所によっては揺れることもあるので、シャワー中はやや注意は必要かもです。
寝台列車のなかには簡易スリッパのようなものはないので、サンダルなどがあれば車内での移動などには便利かもしれませんね。
車内の様子
車内は深夜ということもあって、すっかり静まり返っています。
キャビンの中で飲んで騒いでということもなく。
車内はすっかり就寝モードです。
夜行といえば外を流れる夜の風景ですよね。
ドイツの深夜はいかなるものか?
そう胸が小躍りしていたのですが、いざ窓の外を眺めると真っ暗すぎて何も見えないという。
どこまでも続くドイツの暗闇があるばかり。
いったいどこを走っているのかさえ分からない。
朝ごはんが付いてくる!
夜行列車にはなんと、ほんの気持ち程度なのですが、朝食が付いております!
朝の目覚めと共に車掌さんが持ってきてくれます。
「これぞドイツ!」といった固いパンにジュースです。
これにプラスしてコーヒーがセットとなっています。
なんとなく、この朝食には寂しさを覚えてしまう私ですが、相部屋だったドイツ人の男の子もこの気持ちは同じなようで、どこか物足りないといった表情を浮かべていました。
朝食とは別にペットボトルの水も付いてくるので、乗車前に水を買い忘れた人にもありがたいです。
ドイツの夜行列車は相部屋?
詳しくはドイツの夜行列車を予約する方法で説明するのですが、列車の予約をインターネットから行なうタイミングで相部屋にするか、それとも部屋を個人で使うかを選択します。
もちろん相部屋の方が料金は安く、個室のほうが値段は高くなります。
「旅は道連れ。できるだけ安いほうがイイじゃない」
という場合は相部屋でOKですが、
「プライベートは守りたい。異国で知らない人と一緒とか怖いしマジ勘弁」
という人は個室という選択になりそうですね。
私が利用したのは相部屋の車両。なにより安さに目がくらんだ、というワケです。
もし他に乗客がいなければ、相部屋を一人で独占することができるのですが、この日は同乗者ありけり。
3人1部屋の室内に利用客は私を入れて2名。
私が乗車する前から同室には先客が乗っていたようですが、すでにグーすか寝ておりました。
相部屋の寝台列車はどことなく、ドミトリー宿の電車版といった雰囲気が近いかもしれませんね。
ただ、寝台特急ということもあって、ドミトリーほど交流もなくといった感じです。
深夜の駅の治安は良い?
夜行列車に乗るわけなので、自然と利用することになる深夜の駅です。
そこで気になってくるのが、「深夜の駅の治安はどうなのか?」ということ。
ドイツはヨーロッパのなかでも治安が良い国なので、普通に旅行する分にはそこまで警戒する必要はありません。
駅の周りはそれこそ真っ暗闇なのですが、駅を利用する人は思っている以上に多いです。
なかには女性一人の乗客だったり、家族連れの利用客もいたり。
私が利用したのは平日の夜行列車なので、休日の利用ともなればもう少し人は増えるかもしれません。
この日の列車は到着が少し遅れぎみ。
深夜のドイツというだけで、定刻通りに時間がこないとけっこう不安にはなります。
「ホームあってる? 時間は間違ってない? てか駅あってるよね?」
と予約したチケットと電光掲示板の表示を行ったり来たり。
周りの乗客たちもざわついていたので、不安なのは異国からきた自分だけではないみたいです。
ちなみに列車は10分ほど遅れてやってきました。
駅の中は深夜ということで、ほぼ全てが閉店済。
構内を見渡しても、とくに不審者や変な酔っぱらいもおらず、これから列車を利用する乗客のみといったところです。
ちなみに、列車の中でお酒でも飲みつつ「酒盛りしたいなぁ」と考えている人はあらかじめビールなどを調達しておくのがおすすめですね。
実際に乗ってみた感想
まず、利用している人は若い人が多い印象でした。
「夜行列車の利用は危険かも」といった雰囲気は微塵もなくて、見事なまでに快適な夜の旅です。
ただ、私の移動した日程にはミュンヘンからベルリンへの直通の列車がないご様子。
なので、ミュンヘンからまずはマンハイムへ移動。そこから夜行列車に乗り換えて、ベルリンに移動といった旅程となりました。
ベルリンからミュンヘンまでは乗り換えなしの直通で夜行列車があるはず(昔はあった)なので、その逆もまた然りだと思っていたのですが・・・。
寝心地はどう?
揺れはそこまで気にならず、普通に寝れます。飛行機ほどの揺れもなく、少しの揺れが心地良いくらい。
電車の中でつい寝てしまうった時に感じる、あのほど良いゆれの心地よさ、あの感じですね。
それでも、カーブで少し傾いた時に頭が下になったり、足下が下になったりといった傾きは感じます。
まれに、「おっ傾いてる!傾いてる! ベッドから落っこちない? だいじょぶ?」となる時もあったり。
立ち上がっていると感じないけれど、ベッドで横になっているので、ちょっとの傾きがスゴく大きな傾きに感じんですよね。
あと、夜行列車といえば音ですよね。
イメージとしては、『タタン、タタン』と小刻みに車輪が線路を踏む音なんかはまさに夜行列車のそれ。
しかし、現実はそんな絵に描いたような音でもなく。
どちらかといえば、『コォーーーー、フォンフォンフォンフォン、ゴタゴトガタゴト』とハイスピードで駆け抜けていることを感じます。
寝る分には決してうるさくはないけれど、電車の中にいることは確かに感じます。
同乗者はどんな人?
相部屋となったのは男の子で私が到着する頃には寝ていたのですが、好青年のドイツ人でした。(朝起きて「モーゲン!」と挨拶して判明)
一緒に夜行列車に乗り込んだ人たちを見ている限りでは、若い人の利用が多いなという印象です。
団体で利用していたり、家族連れも多く、治安という意味では安心して利用することができます。むしろ治安は気にしなくていいくらい。
夜行バスよりは値段も張るので、利用する人たちもマナー面は上がりますよね。
ちなみに、室内は狭いので、寝返りをうって布団のこすれる音や「スースー」と寝息なんかは聞こえます。
人が起きてる気配する中で寝るのはちょっと苦手。という人はやや居づらさを感じるかもしれません。
運悪く寝息がうるさい人と同じならおそらく地獄。
反対にイイ香りのするブロンド美人と同じ部屋になれば・・・夢やら何やら膨らみもしそうです。
ドイツの寝台列車のチケットを買う方法
ドイツ鉄道のチケットセンターから直接購入も可能ですが、「夜行列車を使おうかな」という人の多くはあらかじめ予約してからの利用を考えるのではないでしょうか。
もちろんドイツの寝台列車はドイツ鉄道のホームページからネットで予約することができます。
インターネットを使ってチケットを予約する方法と手順は以下にまとめています。
ドイツで夜行列車を予約したいという方はぜひ参考にしてみてください。
さいごに
ドイツの列車はほぼ時間に正確ですが、日本に比べるとやっぱり遅れることも日常です。
案の定というか、夜行列車の発着はやや遅れました。
それでも夜行バスに比べると快適で、やっぱりベッドに横になれるのは最高です。
それに夜行列車に乗るというワクワク感はやっぱり特別です。
ドイツ旅行で大移動をしたいという方はぜひ利用してみてはどうでしょうか。
ではでは。
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この記事に寄せられたコメント
そもそも、ミュンヘンーベルリンとはどの程度の時間距離…なのでしょうか、今一ピンと来ませんもので…
先行き、フランクフルトーハンブルグの移動を考えてますが…何分にも未開の地なもので…今後ともよろしくです!
コメントありがとうございます。
ミュンヘンからベルリンはだいたい7時間ほどですね。
乗る電車によっては6時間〜6時間半にはなるかもしれませんが、なんにせよ遠いです。
実際は時間がかかるけれど、簡単に移動できると感じるあたりは北海道と感覚は似ているかもしれないです。
ちなみにフランクフルト〜ハンブルクだと電車を使って3時間半〜4時間くらいです。
ハンブルクは港町でなかなか気持ちいい場所ですよ。いつかサイトでもご紹介したいです。
移動時間は本文に付け加えておきました。