2014年のドイツ流行語大賞から分かる昨年のドイツ事情
栄えある2014ユーキャンの新語・流行語大賞は「ダメよ〜ダメダメ」が大賞に輝き、他にもディズニー映画「アナと雪の女王」の劇中歌レット・イット・ゴー(Let it Go)から「ありのままで」、壁ドンや妖怪ウォッチなど、エンタメ系の話題が目に付く日本の流行語大賞。
毎年12月12日になると京都の清水寺では一年の漢字が発表され、2014年は「税」が選出されました。
大まかな日本の1年を見ることができるこれらの発表。
実はドイツにも似たようなものが存在します。
それがドイツ語協会(Gesellschaft für deutsche Sprache 略:GfdS)が毎年リサーチ、発表するドイツ流行語大賞(Die Wörter des Jahres 2014)です。
2015年第一弾は昨年2014年のドイツ流行語大賞についてご紹介します。
Top Photo by mydarktime
1. 光の境界 Lichtgrenze
Photo by chris grabert
ベルリンの壁崩壊25周年を記念して行われた光のインスタレーション「光の境界」が堂々のランクイン。
かつてベルリンの壁が築かれたその場所に、壁と同じ高さをした光輝く白のバルーンを配置したことで知られるこのイベント。
壁を再現するように並べられたバルーンの数は8000個以上。
やはりベルリンあるいはドイツを語る上でベルリンの壁は欠かすことができません。
イベント後、この光るバルーンはみなが見守るなかベルリンの空に放たれ夜の中へと消えて行きました。
2. 黒いゼロ schwarze Null
Photo by European Parliament
ヨーロッパとくにEU圏におけるドイツはまさに好景気の真っ只中。
財政再建に成功したドイツは2015年度予算案で赤字国債の停止を発表しました。
この事に端を発する言葉が「黒いゼロ」です。
借金をしない予算案は46年ぶりになるのだそう。
潤う財源に関わりがあるか否かは定かではありませんが、ドイツの消費税は19%とものすごく高いことで知られています。(食品等は7%と物によって消費税は異なります)
3. ゲッツェに感謝 Götzseidank
2014年最もドイツを熱くさせたイベントと言えば、言わずもがな、ブラジルワールドカップです。
実に24年ぶり、4度目の優勝で沸いたドイツ。
アルゼンチンとの決勝戦で見せた英雄マリオ・ゲッツェ(FW)の決勝打はまさに感謝の一言。
Goetz sei Dank( ゲッツェに感謝)
サッカー大国ドイツならでは言葉が堂々のランクインです。
4. ロシアの理解者 Russlandversteher
Photo by Panorama
クリミア半島を併合したことで世界を震撼させたロシア。
住民投票による圧倒的支持を経てのロシア編入ながらも、アメリカ、欧州連合をはじめこの事実を認めない国が多く、深刻化しているウクライナ問題。
ロシアと経済関係の深いドイツに厳しい選択を迫る一方、ドイツではロシアに対し理解を示す意見が目立っています。
ドイツ人ほどロシア人に好感を抱いている者はいない、という観点からの言葉だそうです。
5. 狂気の国鉄 bahnsinnig
Photo by campact
日本では馴染みの薄いストライキですが、ドイツではしばしばストライキが発生します。
ドイツ国内の長距離鉄道を運営している国鉄ドイチェバーン(Deutsche Bahn)や日本との直通便を運行していることでも知られる航空会社ルフトハンザなど、運行を止めてしまうと多くの人に多大な迷惑が被る交通機関もストライキで動かなくなることしばしば。
2014年は国鉄ドイチェバーンのストライキが多く、狂っているという意味のドイツ語ヴァーンズィニヒ(wahnsinnin)と列車という意味のバーン(Bahn)を掛けあわせた造語バーンズィニヒ(Bahnsinnig)がノミネートされました。
その他の
ドイツ語協会(GfdS)から発表された1位〜10位までのラインナップは以下の通り。
1. 光の境界 Lichtgrenze
2. 黒いゼロ schwarze Null
3. ゲッツェに感謝 Götzseidank
4. ロシアの理解者 Russlandversteher
5. 狂気の国鉄 bahnsinnig
6. 歓迎文化 Willkommenskultur
7. 卵子凍結 Social Freezing
8. テロリズム観光 Terror-Tourismus
9. フリーキックスプレー Freistoßspray
10. うつむき世代 Generation Kopf unten
出典:http://gfds.de/wort-des-jahres-2014/
ワールドカップに絡めてフリーキックスプレー、スマートフォンばかり見ている人たちを指した言葉の「うつむき世代」など、昨年ドイツで話題になったトピックや社会問題に関する項目が目立つように思います。
いかがでしたでしょうか?
ドイツ流行語大賞は日本のものと比べ、エンタメ色は少なく、全体を通して1年の内に話題となったドイツの出来事という印象を受けます。
こういった結果も勤勉なドイツならではなのかもしれませんね。
それはそうと「6位〜10位の説明がないぜ?」とツッコミを入れたい方に朗報です(そんな方はいないことを願いたいですが)
詳細はなんと出典元のドイツ語協会(GfdS)に書かれています。
私の能力ではドイツ語訳に限界があり、途中で力尽きました。面目ないです。
続きは是非そちらをチェックしてみて下さい。
全てを知りたい!ドイツ語なら任せて!という方は是非、本家「Die Wörter des Jahres 2014」のぞいて見て下さい。
過去に紹介したお店やベルリン情報はカテゴリー別にまとめています。
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