ドイツ留学で英語だけを勉強することは可能だが効率が悪い理由

ドイツという国が好きだからドイツに留学したい。

とてもいい理由ですよね。

ドイツの風景は中世ヨーロッパの雰囲気がどことなく残っていて、街並みは絵本の世界みたいに素敵です。人柄は日本人に似て勤勉で、親日なので生活するにもよい環境です。

そんな国に留学して、できれば英語を勉強できればいいのに・・・。

ちょっと待て、たしかドイツ人って英語ができたんじゃ・・・

あれ？　これってドイツ留学で英語が勉強できるってことじゃね？

と考えてみたりしますよね。

かく言う私もドイツに留学して英語をメキメキ伸ばせたらいいなと考えていました。

いま考えると、ちょっと甘かったですね。いろんな意味で。

ドイツで英語は勉強できるのか？

できる、できないで言えばドイツで英語を勉強することはもちろん可能です。

ドイツではドイツ語だけでなく、英語をはじめ様々な言語に対応した授業を開講している語学学校も多いです。

加えてドイツ人は基本的に英語ができる人がほとんど。ドイツ人が言うには、なんでも学校で受ける英語の授業が会話を中心に徹底した授業を行っているので、まじめに勉強していれば英語は話せるようになるのだとか。

なかには若いうちに英語圏に留学して、英語を勉強しているドイツ人も多いです。さすが勤勉と言われるドイツ人なだけはありますね。

ヨーロッパのなかでもドイツは英語が通じる国として知れていますが、学校教育で英語を徹底しているというのも、英語の通じる国たらしむ理由の１つにあたります。

なんだ、やっぱりドイツで英語が通じるなら、ドイツ留学で英会話を勉強できるじゃん。

と素直に考えるのも分かりますが、これには色々と弊害が付いて回ります。

ちなみに私の友達で英語をまったく喋れないドイツ人がいるのですが、「どうして英語できないの？」と聞いてみると、「ぜんぜん勉強してないから喋れないぜブラザー」と笑っていました。

続けて、「オレはドイツから出る予定もないからな」と言ってのけ、水パイプを豪快に吸っておられた。

日常会話は全てドイツ語

あたりまえですが、ドイツはドイツ語が公用語です。もちろん国内での会話はドイツ語です。

街中を歩いていて目に飛び込んでくる文字はドイツ語です。すれ違う人たちが話す言葉もドイツ語です。

語学学校へ通えば、ドイツ語を勉強しているたくさんの生徒たち。本屋をのぞけばドイツ語で書かれた本が山のように積み重なっています。

お店の店員をはじめ、ドイツ人に英語で話しかければ、多くは英語で返ってきますが、授業をのぞいてドイツでは英語は自分から話さない限りお目にかかることはありません。

要するに自分から率先して英語を喋っていけばいいってことか！

ということになりますが、これって英語を本気で伸ばす環境とは言い難いですよね。

耳にする会話が全て英語の環境とドイツ語の環境では、どちらが英語の伸びが良いかは言わずもがなです。

もちろん日本から英語のコースを受講するためにドイツに留学する人はいます。

ですが、そのほとんどがドイツ語を主体に勉強していて、合わせて英語も勉強している人です。

さらにドイツでは３ヶ月以上の長期滞在にはビザの取得が必須となっています。

ビザの取得にはドイツ語のレベルも関係してくるので、英語だけで長期滞在や移住に挑んだ人は結果的にドイツ語を勉強することになります。

そのため英語のみで生活するというのはどのみち苦しくなっていきます。

強靭な精神力が必要

まわりの人と違うことをするのって勇気がいりますよね。

少数派というだけで、自分は間違っているのだろうか？ という気分にもなったりします。

ドイツで英語の勉強はまさに少数派。

それこそ英語一筋で滞在するには、結構な精神力がいります。

基本的に周囲にいるのはドイツ語を勉強する人だらけです。そんな生活環境にいると、どうして自分はドイツ語を熱心に勉強していないのだろうか、という疑問が出てくるんです。

みんなガチで勉強してますからね。

それこそドイツ語検定で2級、1級を取りたい、ドイツで大学に進学する、TestDafにパスしてみせる、ドイツで就職する、といった感じで目標が高い人も多いですし。

そんな中で、ドイツ語はほどほどにして英語に本気を出します！

という勉強スタイルは間違っているのだろうか？と迷いが出てくるんですよね。

友達もみんなドイツ語で話しますからね、会話にも入っていけないっていう。

ちなみに私はダメでした。

私みたいに周りに影響されやすいミーハーな精神力では、すぐに英語は辞めて、「これからはドイツ語一本で行きます！」と心変わりしてしまいます。

実際、ドイツで英語を勉強している日本人はそう簡単に周りに流されない不屈の精神をお持ちの人たちでした。

ほんとスゴイひとたちだったなぁ。あの精神力は生きていくうえですさまじいパワーになるんだろうな、と尊敬に近い眼差しで見ていました。

韓国に留学して日本語を勉強したいと言うようなもの

韓国って行ってみると分かるんですが、英語よりも日本語のほうが通じる場面のなんと多いこと。

韓国ってそこまで英語が通じないんですよね。

ホテルの人は英語ができますが、レストランの店員さんあたりは英語よりもどちらかと言えば日本語のほうが達者です。

だからといって、「オレ韓国が大好きなんだ、だから韓国に住んで日本語を勉強したいんだ」と聞けば、「この人、何を言っておるのかね？」ですよね。

ドイツに英語留学するというのは、まさにそんな理屈です。

実際「どうしてドイツで英語を勉強する人って少ないの？」とドイツ人に質問したことがあるのですが、

「だって、ここドイツだから（笑）」

だって。

いやいや、その質問がまずよく分からないよね、といった顔を浮かべていました。

ドイツで3ヶ月、イギリスなら1ヶ月

ドイツで３ヶ月がんばって英語を勉強するなら、イギリスに１ヶ月滞在してトコトン英語を勉強するほうが英語力を伸ばすという意味ではオススメです。

もちろんイギリスじゃなくて、アメリカやカナダでもいいと思います。

とくにカナダにはweb界隈の有名人が集まったフロッグ なんかもあります。クリエーターを目指す人には個人的にはすごくオススメですよ。

どこに行っても強制的に英語を使わなければならない、そんな状況に身を置くのが英語上達への近道です。

勉強するには環境を変えたほうがいい、というのはまさにこのことで、強制的にしなければいけない状況に自分を追い込むと何ごともはかどっていきます。

英語ができなければ生活できない、生きるためにはやるしかない、そうなれば誰だってやります。

そして、やれば必ず上達します。

さいごに

留学は最後に自分が納得した者勝ちなので、いろんなスタイルがあって良いと思います。

もちろんドイツで英語を極めるのだってありです。

短期留学でドイツの語学学校に英語留学している生徒も少ならからずいます。

けれど、ドイツに行くならちょっとはドイツ語も勉強して欲しいなと思うのが心情です。

だってほら、日本に来ている外国人が日本語を喋ってくれるとなんだか嬉しいじゃないですか。

ドイツもそれと同じなんですよね。

やっぱり日本人がドイツ語を喋ってくれるとドイツ人だって嬉しいです。

ドイツ語も喋る、英語も喋る。

贅沢を言ってしまうと、理想形はそれですよね。

ドイツで英語を極めたい、そう考えている方はぜひドイツ語にも目を向けてみてください。

ではでは。